親愛なる皆様へ、
教会では毎年、1月18日から25日までの1週間を「キリスト教の一致」を願って祈る期間としています。 1月25日は聖パウロの回心を祝う日です。教会で最も偉大な異邦人への宣教師である聖パウロが、すべてのキリスト者が一致するように取り成してくださいますように、2026年のテーマ「体は一つ、霊は一つです。それは、あなたがたが、一つの希望にあずかるようにと招かれているのと同じです。」(エフェソの信徒への手紙4章4節)に従ってお祈りいたしましょう。
皆様も、キリスト教会全体とともに、特にこの8日間をキリスト者の一致のためにお祈りくださいますようお願い申し上げます。
「2026年 キリスト教一致祈禱週間」、日本キリスト教協議会・カトリック中央協議会、共同発行。
第1日 わたしたちへの招き
今日の聖句
そこで、主に結ばれて囚人となっているわたしはあなたがたに勧めます。神から招かれたのですから、その招きにふさわしく歩みなさい(エフェソ4・1)。
他の朗読箇所
ミカ6・6 – 8
詩編133
マルコ3・13 -15
解説
エフェソの信徒への手紙4章1節でパウロは、「招かれた……その招き」にふさわしい生活を送ることの大切さを強調しています。これは、キリスト者の共同 体の一致と密接に関連するものです。分裂した社会のただ中にあって、信者たちが障壁を乗り越え、和解を促進するよう、福音は呼びかけます。この神からの呼びかけは、信者たちの友情の中で、神の価値観を体現するようわたしたちを招きます。この呼びかけに従って行動することで、わたしたちはキリストの教えを映すだけでなく、キリストのからだの一致と成長に貢献することにもなります。こ の呼びかけを認識して、受け入れることは、キリスト者の共同体の真の本質を生き抜き、調和と支え合いの友情関係を育てるには不可欠です。
問い
エフェソの信徒への手紙4章1節で表現されている、「招かれた……その招き」 について考察することが、皆さんの地域や、より広い教会共同体における一致のために、積極的に貢献しようという気持ちにさせてくれますか。
祈り
光である神よ、
あなたはわたしたちを、闇からあなたの光へと招いてくださいました。
あなたの招きにこたえ、積極的に和解を求め、
この世であなたの光を分かち合うことができますように。
アーメン。
第2日 愛をもって互いに忍耐しなさい
今日の聖句
いっさい高ぶることなく、柔和で、寛容の心をもちなさい。愛をもって互いに忍耐しなさい(エフェソ4・2)。
他の朗読箇所
ゼカリヤ7・8 -10
詩編25・6 -10
ルカ10・30 – 36
解説
使徒パウロは意義深い社会的指針を示し、キリスト者としての召命にふさわしい生き方をわたしたちに勧めます。パウロは信者たちに、「高ぶることなく、柔 和で、寛容の心」をもち、「愛をもって互いに忍耐」するよう勧めます(エフェ ソ4・2)。この神の招きは、単なる個人的な旅路ではなく、他者とのかかわりの中で鮮明に表現されるものです。パウロが強調する四つの徳―謙遜、柔和、忍耐、 寛容―は、愛に満ちた関係をはぐくむために不可欠です。これらの徳を体現することは、他者に対して真に謙遜な精神で接し、忍耐を試す人にも柔和に接し、 挑んでくる人にも寛容さを示すことを意味します。もっとも根本的には、それは、違いがあるにもかかわらず、「互いに忍耐」することを含むもので、それによって、 地上のあらゆる分断を超え、神の無限のあわれみという恵みを体現する愛を映し出すのです。
問い
エフェソの信徒への手紙で述べられている謙遜、柔和、忍耐、寛容といった徳は、 わたしたちが信者として、自分の地域のキリスト者の共同体内部の分裂を乗り越えるうえで、どのように役立つものでしようか。
祈り
主イエス・キリスト、
あなたは、謙遜と柔和をもって、いかにして互いに忍耐するのかを、わたしたちに示してくださいました。
どうか、あなたがわたしたちの道を照らす光がわたしたちを一致に導き、
幾度も共同体を分裂させる、
分断や無関心の傷をいやす力となりますように。
アーメン。
第3日 平和のきずな
今日の聖句
平和のきずなで結ばれて、霊による一致を保つように努めなさい(エフェソ4・3)。
他の朗読箇所
イザヤ11・6 – 9
詩編86・8 -13
ヨハネ14・27 – 31
解説
平和は、教会内の一致を保つうえで、決定的な要素です。エフェソの信徒への手紙4章3節において、「平和のきずな」は、キリスト者の共同体の一致を結び合わせるだけでなく、それを保つ、重要で能動的な原理を意味しています。平和の王であるキリスト(イザヤ9・6参照)は、平和と和解を説きました。平和は「霊の結ぶ実」(ガラテヤ5・22)であり、霊のたまものであるとともに、その働きの結果でもあるのです。「平和のきずな」は、背景や意見の違いにもかかわらず、多様な人々を一つにし、教会の結びつきを保つ、強力な力です。平和によって、意義ある関係が育ち、信者たちが調和のうちに互いに交流し、互いをいっそうゆるすことができるようなります。パウロは、真の一致には、平和への継続的な取り組みが必要であると強調します。そのために、人々の間で積極的に平和をはぐくみ、促進することが求められるのです。
問い
聖パウロが、平和は霊の結ぶ実であると教えたことは、わたしたちの共同体における日々の交流や人間関係、とりわけ和解やゆるしが必要な場面において、どのような影響を与えるでしょうか、。
祈り
主イエス・キリスト、
あなたは平和の王です。
わたしたちの間で、この混乱した世界の中で、平和のきずなを強めてください。
戦争を起こすすべての人の心を改めさせ、戦争で苦しむすべての人の傷に触れてください。
とりわけアルメニアとアルツァフの人々、
さらに世界中にいる彼らの親族のために、祈ります。
あなたの愛の光が、この世のすべての闇の地を照らし、
すべての民族が正義と平和の中で暮らせる日を、一刻も早くもたらしてください。
アーメン。
第4日 一つの希望にあずかるようにと招かれている
今日の聖句
からだは一つ、霊は一つです。それは、あなたがたが、一つの希望にあずかるようにと招かれているのと同じです(エフェソ4・4)。
他の朗読箇所
申命記6・4-9
詩編24・1-6
ヨハネ17・20 – 26
解説
エフェソの信徒への手紙4章4節で使徒パウロは、世界中の教会を結びつける、深い一致を強調しています。この一致は、すべてのキリスト者を信仰で結びつける一つの霊と一つの希望に根ざしています。聖霊降臨の日、聖霊は、世界へと向かう教会の使命に火をつけました。この同じ霊力、今日、わたしたちに力を与え、 わたしたちの共通の使命をはぐくみ、国や文化の境界を越えた普遍教会を育てます。イエス・キリストによる救いへのわたしたちの共通の希望は、この一致の隅石であり、多様な諸民族を、一、聖、公、使徒継承の教会へと集めるのです。キ リスト者としてわたしたちは、この唯一の希望と、わたしたちに洗礼を授け新たにする、唯一の霊によって特徴づけられます。わたしたちの務めは、この一致を、 単なる概念ではなく、生き生きとした現実とし、共通の使命と互いへの愛を強めていくことです。
問い
教会、また共同体としてわたしたちは、自分たち独自のアイデンティティや伝統を維持しながら、唯一の召命という課題にどのように取り組むことができるでしょうか。
祈り
イエス・キリスト、
あなたはわたしたちを多様性のうちに、あなたの家族、教会として、一つに集められました。
希望が、絶望や傷ついた心に取って代わられる状況が数多くあるこの世において、世界を変える聖霊の働きのうちに、わたしたちの希望を新たにしてください。
この希望を、あらゆる場所のあらゆる人々に広めるよう、わたしたちを駆り立ててください。
あなたは真の光であり、罪の闇を追い払い、
わたしたちの心に、あなたの永遠の愛の喜びと希望を輝かせます。
アーメン。
第5日 信仰は一つ、洗礼は一つ
今日の聖句
主は一人、信仰は一つ、洗礼は一つ(エフェソ4・5)。
他の朗読箇所
ゼカリヤ14・6 – 9
詩編100
マタイ28・16 – 20
解説
エフェソの信徒への手紙4章5節で使徒パウロは、洗礼は、個人が教会の交わりに入り、同じ主に対する共通の献身を確認することにより、キリスト者の一致 を確固たるものとする行為であると強調します。わたしたちは主のからだにおいて一つであるので、洗礼は、教会の集団としてのアイデンティティを創出します。仲間がさまざまな背景をもっていたとしても、信仰と洗礼における一致はあらゆる分裂を超越するということを、この秘跡は強く思い起こさせます。こうした一 致の要素に焦点を当てることによって、教会は、揺るぎない一致を保ちながら、 その多様性を祝うことができます。このことによってわたしたちは、違いよりも、 キリストにおける共通のアイデンティティを優先し、すべてのキリスト者を結びつけるきずなを強めるという課題を与えられます。
問い
わたしたちの多様な共同体は、イエス・キリストへの共通の信仰と、洗礼によって確立された一致を祝うために、どのような協働の取り組みを行えるでしょうか。
祈り
神の霊、まことの神よ、
あなたはヨルダン川に下って、2階の広間に入り、
聖水による洗礼によってわたしたちを照らしてくださいました。
わたしたちは、あなたのみ前で、天に対し罪を犯しました。
炎のような舌で、使徒たちを清めたように、
あなたの神聖な炎で、わたしたちを再び清めてください。
あなたの被造界、とりわけわたしたちにいつくしみをお与えください。
アーメン。
(いつくしみの聖ネルセス[改変])
第6日 父である主は唯一
今日の聖句
すべてのものの父である神は唯一であって、すべてのものの上にあり、すべてのものを通して働き、すべてのものの内におられます(エフェソ4・6)。
他の朗読箇所
列王記上8-56-60
詩編:148・7 -13
マタイ5・44 – 48
解説
エフェソの信徒への手紙4章6節で聖パウロは、神は「すべてのものの上にあり、すべてのものを通して働き、すべてのものの内におられます」と述べ、神の深遠な唯一性を強調しています。神は、すべてを超える超越的な存在であると同時に内在的であり、被造物のうちに能動的に存在しておられます。この根本の真理は、 教会が一致を体現し、それを生き抜いて、すべての信者の御父である、真の唯一 の神への共通の信仰に根ざすよう招きます。「すべて」とは、神の似姿に創造された一人ひとりカ、神の権威の下にあることを意味します。唯一の神を礼拝する ことは、キリスト者の間に強い一致のきずなを生み出します。家族が親への愛に よって一致の基盤を見いだすように、キリスト者も、同じ御父への信仰によって一致するよう招かれているのです。
問い
すべての人への愛と思いやりに満ちた御父としての神の似姿を、さまざまな教会共同体の使命と奉仕職にどのように取り入れ、より一致したキリスト者のあかしを世に推進していくことができるでしょうか?
祈り
愛に満ちた父よ、わたしたちは信仰を告白し、あなたを礼拝します。
あなたは、ことばを超えて天に、理解を超えて地上に、
御子イエス・キリストを通して現存しておられるからです。
柔和な愛によって、あなたはすべてのものの始まりであり、完成です。
父よ、御子と聖霊とともに、
栄光は、永遠にあなたのものです。
アーメン。
(ナレクの聖グレゴリオ[改変])
第7日 洗礼のうちに与えられる神のたまもの
今日の聖句
しかし、わたしたち一人ひとりに、キリストのたまもののはかりに従って、恵みが与えられています(エフェソ4・7)。
他の朗読箇所
エレミヤレ4 – 9
詩編131
マタイ25・14 -18
解説
諸教会とすべての地域社会は、神から授かった一致のうちに多様性を有し、キリストのたまものに応じて与えられた恵みによって、神の国を築き上げています。 これらの霊的たまものは、唯一の主によって、唯一の洗礼のうちに、ただ一つの目的のために与えられます。一致のうちの多様性―、それは聖霊の働きにおける、キリストを中心に据えた教会独自の豊かさであり力なのです。
問い
たまものの多様性は、対立や競争の原因ではなく、互いに強め合い、分かち合う理由であるということを受け入れるならば、わたしたちの関係はどのように変化するでしょうか。
祈り
主イエス・キリスト、
聖霊の働きによって、唯一の洗礼のうちに、
あなたはわたしたちにすばらしい恵みと多くのたまものを与えてくださいました。
それは、あなたのからだである教会を築き上げるためです。
今、わたしたちに、その多様性の豊かさを十分に理解し、
福音をさらに広めるためにそれを十分に活用する意志をお与えください。
あなたのみ名によって、祈ります。
アーメン。
第8日 キリストのうちに成長する
今日の聖句
神が与えてくださったたまものは、キリストのからだを築き上げるためであり、ついには、わたしたちは皆、神の子に対する信仰と知識において一つのものとなり、成熟した人間になり、キリストの満ちあふれる豊かさになるまで成長するのです(エフェソ4・13参照)。
他の朗読箇所
箴言9・10 -12
詩編119・97 -104
ヨハネ17・3-7
解説
エフェソの信徒への手紙4章13節で、使徒パウロは、キリストのからだに関するビジョンを三つの鍵となる領域、すなわち信仰における一致、知の成熟、キリストのうちでの完成に要約しています。成熟は、イエス・キリストに関する知が深まることで得られます。これは生き方を変える知であり、わたしたちの考えを一新し、単なる知的な理解にとどまらず、行動において実践に移すよう導くものです。わたしたちは、キリストを知れば知るほど、ますますキリストに似ていきます。この知を得るためには、キリストの教えを学び、日々、従順のうちにそれを生きなければなりません。「キリストの完全な姿」は、キリスト者の成熟の到達点です。それは、あらゆる点でイエスにより似たものとなっていくことを意味します。つまり、イエスが愛するように愛し、イエスが仕えるように仕え、イ エスの性格を映す人間になるのです。わたしたちは、自らの霊的旅路を振り返り、 互いに一致を求め、神の御子についての知識を深め、内なる神の完成を追い求めるよう招かれているのです。
問い
いかにしてわたしたちは、キリストについての知識を深め、その知識によって、自分の行動、考え、人間関係を形づくるようにしているでしょうか。
祈り
世のまことの光であるキリスト、
わたしの魂を、
自分が招かれる日に喜びをもって、あなたの栄光の光を見、
あなたの偉大な到来の日まで、義人の家において、
善なるものの希望をもって憩うにふさわしいものとしてください。
あなたの被造物、そして大いなる罪人であるわたしに、いつくしみをお与えください。
栄光は、父と子と聖霊に。今も、いつも、世々に。アーメン。
