平和アピールの集い

2026年2月14日、細江カトリック教会では、約60名の参加者を迎え、「平和を築く社会を目指して」というテーマのもと、学びと祈りの一日が行われました。参加者は山口県内外のさまざまな教会から集まり、互いに出会い、共に考え、祈る貴重な機会となりました。

集いは、聖ヨハネ・パウロ二世教皇が1981年に広島で語られた「平和アピール」の朗読から始まりました。戦争の悲劇と平和への強い願いが心に響き、その後、中井神父による開会の祈りが捧げられました。

続いて、アルペ難民センターの定住支援担当者による講演が行われ、テーマは「難民シェルターの現場から〜ともに歩む社会を目指して〜」でした。講演者は、センターが設立から約6年の認定NPO法人であり、30室のシェルターを備え、住居・食事・医療・手続き・定住支援など包括的なサポートを提供していることを紹介しました。また、スタッフが難民と共同生活を送るという、日本では珍しい支援モデルについても説明がありました。

講演者自身の歩みとして、2001.9.11後のアフガニスタンでの勤務経験が語られました。過酷な状況の中で聖書の言葉に再び出会い、また家族に命を託されて日本へ逃れた若者アリシャンとの出会いを通して、難民の痛みを「頭ではなく心で理解する」ようになったと述べました。アリシャンの母親を探し出すまでの長い道のりは、家族の絆と人間の尊厳について深く考えさせるものでした。

世界では現在1億2千万人以上が故郷を追われ、その6割が国内避難民であること、気候変動による「気候難民」が増加していること、そして深刻な栄養失調の子どもたちや海面上昇で消滅の危機にある国々の現状が紹介されました。また、難民受け入れの多くを担っているのは先進国ではなく周辺国であり、日本の難民認定率は極めて低く、43年間で認定されたのはわずか1610人であるという厳しい現実も共有されました。

日本の法制度が難民条約の5つの迫害理由に基づく非常に狭い定義しか適用していないため、戦争や暴力、気候災害から逃れてきた人々が保護されにくいことが指摘されました。講演者は、「この社会で生きている私たちこそ、制度を変えるために声を上げなければならない」と強く訴えました。

さらに、教皇フランシスコが語る「無関心のグローバル化」や教皇レオ14世が語る「無力感のグローバル化」に触れ、苦しむ人々と出会い、共に歩む「和解の文化」を築くよう呼びかけました。講演者と共に同行し講演をサポートしてくれたのは、昨年9月に来日し、6ヶ月間、インターンとしてこのセンターの支援活動に携わっているドイツ出身の若い方でした。

講演後は昼食と休憩を挟み、参加者は6つのグループに分かれて分かち合いを行いました。各グループは、難民の現状、平和の意味、私たちができる小さな一歩について語り合い、その後聖堂に戻ってグループごとの報告を共有しました。

下関のカトリック教会

集いの締めくくりとして、感謝のミサが捧げられました。中井神父をはじめ、細江教会と彦島教会の主任司祭、さらに3名の司祭が共同司式を務め、参加者全員が平和のために祈りを合わせました。

この一日は、世界の現実に目を向け、隣人の痛みに心を寄せ、平和をつくる者として歩むための大切な学びと恵みの時となりました。

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