私は10月20日から22日まで、福岡旧神学院で行われた「全国のベトナム人カトリック司牧担当者の集い」に参加してきました。今年新しく設立された多文化共生司牧部門による集いで、その責任者である山野内司教様も来られていました。司教様は、神学者アンリ・ド・リュバックの「聖体が教会をつくる」という言葉を引用し、違いを恐れず、互いに受け入れ合うことの大切さを話してくださいました。
「聖体が教会をつくる」とは、どういう意味でしょうか。ここでいう聖体は、ミサで祝われる聖体祭儀と切り離せません。ミサ、とりわけご聖体は、教会の存在に欠かせないものです。第二バチカン公会議は、ミサを教会の活動の頂点であり、すべての力が流れ出る源泉とし、聖体をキリスト者の生活全体の源泉としています(『典礼憲章』第10項、『教会憲章』第11項参照)。つまり、聖体祭儀は教会の活動と私たちの信仰生活の中心です。教会のすべての活動は聖体へと向かい、私たちはそこから力をいただいて、福音宣教と奉仕へと送り出されるのです。
ミサは、私たちにとって、生きるために欠かせない呼吸のようなものです。日本人も、ベトナム人も、韓国人も、インドネシア人も、同じ神様の恵みをいただき、一つに結ばれます。司祭が「キリストによって、キリストとともに、キリストのうちに」と唱え、私たちが「アーメン」と応えるとき、私たちは皆、神様の一つの家族に属する兄弟姉妹であることを確かめるのです。皆さんは、ミサにあずかるたびに、このいのちの力を感じておられるでしょうか。
今日も私たちは、共にみことばを聞き、聖体をいただくために集まっています。今日の聖書朗読は、私たちがどのようにしてその「多文化共生」の教会を作っていくのか、そして私たちの信仰の土台はどこにあるのかを教えてくれます。
今日の福音で、主イエスは最も大切な二つの掟を教えてくださいます。それは、心を尽くして神様を愛することと、隣人を自分のように愛することです。この二つは、ドアを支える二つの蝶番のように、どちらも欠かせません。神様を愛することと、隣人を愛することは、切り離せないのです。
第一朗読でも、神様は、外国から来て暮らしている人を虐げてはならないと教えておられます。私たちの細江教会にも、長年教会を支えてこられた日本人の皆さんと、外国から来た人たちが共にいます。言葉や習慣の違いに戸惑い、壁を感じることもあるでしょう。自分と違う人を受け入れ、愛することは、簡単ではありません。だからこそ、ミサで主イエスと結ばれ、愛する力をいただくことが大切なのです。
皆さんが聖堂を掃除し、教会の活動を準備し、ボランティアに取り組んでくださる姿を見るたびに、私は感謝の気持ちでいっぱいになります。私たちの小教区では、信徒の数が少しずつ減り、高齢化も進んでいます。それでも、皆さんは心を尽くして教会を支えてくださっています。本当にありがとうございます。
ただし、その奉仕を大切にするためにも、少し立ち止まって考えてみましょう。私たちの教会と、地域のクラブやボランティア団体との違いは、どこにあるのでしょうか。
教皇フランシスコは、教会はNGO、つまり非政府組織ではないと、繰り返し語られました。教会は、慈善活動や社会福祉だけを行う団体ではなく、何よりもまず、主イエスを信じる人々の共同体です。その歩みを支えるのは、聖体と祈りを通して主イエスと深く結ばれることなのです。
ところが、忙しさの中で、その大切なことを忘れてしまうことがあります。小教区の仕事に一生懸命になる一方で、ミサを後回しにしたり、心が落ち着かないまま参加したりしてはいないでしょうか。奉仕を支える祈りが薄れると、私たちは自分の力だけに頼り、疲れや不満、落胆を抱えやすくなります。
だからこそ、活動に取り組む前に、まず主イエスとの出会いを大切にしましょう。
主イエスが望んでおられるのは、私たちがご自分のために多くの仕事をすることだけではありません。まず、ご自分のもとに来て、その愛を受け取ることです。主イエスの足元に座り、みことばといのちのパンによって養われるとき、私たちは、兄弟姉妹に思いやりをもって仕えるための愛と恵みをいただくのです。
そして、ミサの終わりに、私たちは主の平和のうちに日々の生活へと送り出されます。教会の活動は、ミサから始まり、またミサへと帰ってきます。「行きましょう、主の平和のうちに」という言葉に送り出され、私たちはミサでいただいた恵みをもって、日々の仕事や奉仕に取り組みます。そして、仕事や奉仕の実りも、暮らしの中で抱える心配や不安も、ミサに携えてきて、神様におささげします。神様にそれらを聖なるものとしていただき、再び力をいただいて、兄弟姉妹のうちにおられる主に仕えるために出かけていくのです。
皆さん、特に日々熱心に奉仕してくださっている皆さん、ミサを信仰生活の中心に置きましょう。忙しいときこそ、主イエスのもとで心を養い、その愛を互いに分かち合っていきましょう。
最後に、一つお願いがあります。明日10月26日から28日までの3日間、広島教区の司祭研修会が行われます。今年のテーマは「多文化共生」です。私たち司祭が、主イエスにならう良い牧者として皆さんに仕えることができるよう、どうかお祈りください。
